所得割額を減らす方法 ~高等学校等就学支援金制度~
何のことかよく分からずにたどり着かれた方もいらっしゃると思いますが、市町村民税所得割額が、30万4200円(304,200円)を超えられている方が、控除(税額控除額)で所得割額を減らせられることについて記載しています。
※平成30年度7月以降支給分の変更(改悪)についても記載しています。
高等学校等就学支援金制度(新制度)、いわゆる高校の授業料無償化制度についてです。
高等学校等就学支援金制度(高校授業料無償化制度)とは、平成26年4月以降の入学者が対象で「授業料に充てるための就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の実質的な機会均等に寄与することを目的」とある支援金の制度です。
制度の概要としては、「国公私立問わず、高等学校等に通う一定の収入額未満(市町村民税所得割額が30万4,200円(モデル世帯で年収約910万円)未満)の世帯の生徒に対して、授業料に充てるため、国において、高等学校等就学支援金を支給します。」とあります。
支給額は、高等学校により異なりますが、国立高校の場合には、月額9,600円(年額115,200円)、いわゆる公立(県立・府立)高校の場合には、月額9,900円(年額118,800円)になります。
所得割額が304,200円未満にすると年間11~12万円を支払う必要がなくなります。
モデル世帯としては、年収約910万円未満の世帯の生徒に対して、就学支援金を支給することになっています。
※ そもそも税金をたくさん払っている人が、就学支援金をもらえないのはどうなのかと思いますけど。。
しかしながら、実際の申請については、年末の源泉徴収票等の年収や特別徴収税額決定・変更通知書の給与収入を確認するのではなく、この高等学校等就学支援金については、市町村民税の特別徴収税額決定・変更通知書における市民税の「所得割額」だけが対象となります。
※ 所得割額は、都民税/道民税/府民税/県民税にもありますが、これは対象ではありません。
市民税には、④税額控除所得割額、⑤税額控除額、⑥所得割額、⑦均等割額とありますが、年収910万円を超えられている方については、④税額控除所得割額が304,200円を超えられていると思います。
しかしながら、⑥所得割額が304,200円を超えなければよい、つまり⑤税額控除額を増やすことで、⑥所得割額が304,200円以下にすることができます。
⑤税額控除額を増やす手っ取り早い方法は、そう「ふるさと納税」です。
ふるさと納税は、寄付金税額控除額として、寄付した金額から2,000円差し引いた金額が控除額となりますが、市民税の⑤税額控除額と、都道府県民税の⑤税額控除額に分割されます。
分割の計算式は分かりませんが、私の実績からは「市民税の⑤税額控除額」:「都道府県民税の⑤税額控除額」=10:7の割合です。
市民税の④税額控除所得割額が40万くらいで、10万円くらい減らしたい、つまり市民税の⑤税額控除額を10万円にしたい場合には、17万円分ふるさと納税をすれば良いということになります。
※税額控除所得割額が40万の方であれば、17万円のふるさと納税は十分範囲内だと思います。
昨年ぐらいから、独自の高校授業料無償化政策も採用している各都道府県で、ふるさと納税利用すると高等学校等就学援助金で有利になることが問題視されていますので、今年度は大丈夫そうですが、近い将来には使えなくなるかも知れません。
ただ、ふるさと納税については幾つか記事を書いていますが、しないと損です。
17万円分ふるさと納税は、翌年の住民税(市町村民税)が17万円分(ただしくは16万8千円分)減るので全く損しません。
えっまさか?まだやっていないの、ふるさと納税 - IT系会社員ブロガー
ふるさと納税やってますか?やらないと損ですよ - IT系会社員ブロガー
2018年追記:高等学校等就学支援金制度が改悪されています。
以上です。